6月2日 台風2号線状降水帯の被害について

書くか悩みましたが、今後の対策やこれからもあるかもしれない自然災害だなと感じたので農園の記録用に書きます。


ちょうどひと月前の2023年6月2日。

台風2号の影響で和歌山県紀北エリアに線状降水帯が発生。善兵衛農園は涼風びわの収穫最盛期でいつもパートさんや大学生たちが多数来てくれてたタイミングでした。

豪雨が降るという予報があったため、びわも事前に前倒しでできるだけ収穫し、普段雨の中収穫したりもするのですがさすがにその日は畑仕事は休みにして、スタッフみんな倉庫で発送作業をしていました。

警報が出てから道が浸水するまで、すごいスピードでした。その後倉庫の中まで浸水。気づいた時には家が孤立。過去に道が少し浸かったことはありましたが、倉庫を建てて50年間で初めてでした。結果、倉庫は膝下までの浸水、現場のスタッフのおかげで被害は最小限で済みました。(スタッフ全員井上家で一晩過ごすことになりました。)

今まで浸水したことのない倉庫が膝下まで浸水
軽トラも浸水、車も1台廃車に。
枇杷の資材も…

浸水が進んでいた時、僕個人としては消防団員として出動していました。農園のことは父に任せつつマメに電話で連絡取り合っていました。消防団としては排水ポンプを稼働させたり、各場所に土嚢設置したりと、できることをしていました。

出動時の家の前の道路の様子
2時間で看板が浸かるまで水位があがる

僕たちの集落は町中から少し外れた海沿いの場所なので、自治体職員ではなく住民の消防団で動きます。動線把握してるしみんな顔見知りだし緊急の時に消防団はかなり重要なポジションなんだと、今回強く思いました。

雨は深夜まで続き、翌朝には水が引きました。善兵衛周辺の家や倉庫はほぼみんな浸水していたので、復旧作業にかかっていました。

翌日も消防団で災害復旧
翌日も雨予報だったため最低限の土砂を取り除く

うちもすぐに完全復旧したいところはあったのですが、枇杷の最盛期…。最小限に片付けた後は急いで涼風びわの収穫に向かい、その後10日間びわの繁忙期が続きました。

袋の中に涼風びわ、収穫直後

豪雨後に急遽募集した助っ人に来てくれた皆さんには本当に感謝です、おかげで涼風びわを早く取り終えることができました。

大学時代の同期、田辺、大阪、有田から

ただ、豪雨の影響でびわの裂果が大量にでてしまい、ネットで追加販売する予定の商品は今年はつくることができませんでした。楽しみにしてくれていた皆様にお届けできなかったのは辛いですが、豪雨前に急いで収穫しておいたことは不幸中の幸い、本当に良かった。確約していた所に届けれただけ良かったと思うしかないですね…。

右:裂果した涼風びわ

また、SNSは全然更新できていませんでしたが、たくさんの心配のご連絡が届いていました。ありがとうございました。

スタッフ含め家族も全員無事で、畑や農道も一部流れたところはありましたが、大きく被害を受けた場所も無さそうです。今年も冬に美味しい柑橘届けれるように頑張れます。復旧作業もまだありますが、自分たちで少しずつ進めていけそうです。

農業は自然相手の仕事だから大変とか言われますが、本当にそうだと思います。ただ、敵ではなく味方でもあり、この自然のおかげで僕たちは経営でき、美味しい作物をつくれているわけであって、これからもうまく付き合っていかなければなりません。

これからも災害リスクを考えつつ、適地適作の農業経営をしていきます。早く梅雨明けないかな…。

引き続き、善兵衛農園をよろしくお願いします。

あと、、、、

全然更新できていなかったInstagramの投稿、頻度上げていこうと思います。春になってからいろんなこと同時並行で進めすぎて、現場は回ってるのですが発信が疎かになってました…。

ということで、とりあえず善兵衛農園はいつも通り通常稼働していて、今は国産バレンシアオレンジの最盛期に入っています。飲食店へもどんどん送っているところです🏃‍♂️

現在収穫中のバレンシアオレンジ
大阪&兵庫の料理人、阪急百貨店の皆様が来園

秋には「Table in farm第2弾」と「石積みワークショップ」を開催予定で動いています、お楽しみに…!

さぁ7月!

これから2023下半期走り抜けます!!!よろしくお願いします!!!

紀州柑橘 善兵衛農園

七代目 井上信太郎

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