CHAPTER 01
善兵衛農園の
大切にしていること
200年続く農園をつくった一代目
享和3年に初代井上善兵衛が田村の地でみかんづくりをはじめてから200年以上経ちます。善兵衛は優れた機械もない時代に山の急斜面へ石垣を積み、みかんづくりを始めました。日本屈指のみかんづくりに適した地「田村」で、次なる200年先も続く農園として「善兵衛農園」は歩んでいきます。
初代から受け継がれる志
ひたむきに挑戦し続けること、目の前のお客様へ美味しいみかんを届けること。善兵衛が大切にしたい思いはいたってシンプルです。代々の園主の思いが詰まったこの地から、次世代の農家の在り方を築いていきます。
200年前に80アールから始まった農園は現在370アール(東京ドーム0.8個分)まで広がりました。その面積の中でも、みかんの種類によって栽培に適した土地は少しずつ違います。風当たり、日当たり、土壌の水捌け、いくつもの条件を考慮し、それぞれの特性に合わせて畑の場所を選びます。他の柑橘や果実への挑戦により、奥深いみかんの魅力を届けていきます。
この地の豊かさを担い届ける存在へ
「あの人に食べてもらいたい」、そんな思いで善兵衛農園はみかんづくりをしています。和歌山・田村の豊かな自然に育まれたみかんを、毎日ていねいに育て、思わず誰かに分けたくなるような味に仕上げて届ける。私たちの経営理念は「豊かさを育て、分かち合う農業」です。ただ果実を収穫し販売するだけでなく、畑の風景やそこに息づく文化、農業を支える人々の思いも一緒に届けたいと考えています。畑の中で味わう食体験や、若い世代や料理人や菓子職人といった方達との交流を通じ、農業の魅力を伝える取り組みも続けています。善兵衛のみかんを手に取っていただく一つひとつが、日常の食卓を少し豊かに彩り、贈り物となれば相手の笑顔や会話を生む。そんな循環を広げながら、この地の豊かさを未来へつなげていきます。
CHAPTER 02
善兵衛農園の
みかんづくり

「真面目に謙虚に最高のみかんをつくる」
誰かに届けたくなるような美味しいみかんを味わっていただきたい。ただみかんをつくるだけではなく、美味しいみかんを届け、食べてもらうこと。それが善兵衛農園の使命です。
独自の栽培方法
みかんを育てるためにやるべきことは多岐に渡ります。温暖化も進む中、農業も過去と同じようにしていては栽培が難しくなってきました。県内のマグロ粕を中心としたオリジナル配合肥料を作り、みかんの木一本ずつと向き合いながら、木のお世話をしています。大切なのは適時作業と気候に対して後手にならないような栽培技術の探究、現状に満足せず持続的な農業をしていきます。
美味しいみかんを届ける
お届けするみかんは一つ一つ手作業でのチェックが欠かせません。全面をベテランの見極めの方が目視し、傷の状態を見抜きます。厳しい基準を設け、照らし合わせながらみかんを選別し、基準から外れているものは箱には入れません。この地道な積み重ねが信頼への礎となっています。
“農家をアップデートする”
SNSやHPを通して情報を届け、料理人やパティシエといった食のプロの方達と交流するなど、顔の見える関係を作ることで高品質栽培をすることへの自らの意識をアップデートしていくことを大切にしています。ネットショップでも同じです。善兵衛の名に恥じないみかんを今後も贈り届けます。
CHAPTER 03
善兵衛農園
七代目園主

井上信太郎 Shintaro INOUE
善兵衛農園の七代目園主。1991年生まれ。和歌山大学観光学部を卒業し、株式会社秋津野にて2年間のグリーンツーリズム事業の事務局や3軒の柑橘農園での農業研修を経て就農。
200年以上続く善兵衛農園の跡継ぎとして地元である田村で柑橘をつくっている。みかん畑での食体験「Table in farm」、食のプロを招いた「みかんの花摘み会」、全国の柑橘の魅力に気づくイベント「柑食祭」を企画運営するなど、農業の魅力を届ける活動も積極的に行う
七代目園主の思い
田舎だけども、閉鎖的ではない、開かれた地域を目指していく。僕が大学の時に農業もありだなと思えたように、他の若者にも農業の可能性を伝えていきたいと考えています。農作業の体験を受け入れることで、実際の仕事や農業への想い、農業の楽しさを知ってもらえる場をつくる。そうしてこの地域が好きになってもらえたら、ここで生きて行くという選択肢も提示できるようにしていきたいです。その為に多種多様な人々が集えるコミュニティースペースやシェアハウスを運営するなど、農園以外の活動もしています。美味しいみかんを食べたい。それは僕が一番思っていること、その為に技術探究をしながら日々改良を重ね、「美味しいみかんをつくる!」と楽しみながら農業をしています。
CHAPTER 04
善兵衛農園と
田村の土地

田村という場所
みかんとびわとシラスの里
第一次産業が盛んな人口1000人の小さな村
三つの太陽に照らされて
田村のみかんは太陽と海、そして、石垣からの反射熱で育ちます。地元農家の間ではこれを三つの太陽と呼んでいます。様々な方向から光を浴びた木々は光合成が促進され、美味しいみかんができるのです。また、ミネラルを含んだ潮風と田村特有の地層(秩父古生層)もみかんづくりには欠かせない存在です。
湯浅という町と田村
田村は一次産業の村、田村を含むこの地域は湯浅町という町です。醤油醸造発祥の地としても有名で、古くから残る重要的建造物群保存地区も観光地として魅力的です。美味しい食事処も多く、是非訪れていただきたいです。